お笑いぴよぽよ劇場

 


 はっきり言おう。こどもはおもしろい。
 2年前のある日、わが家にまんまるな娘がやってきたその日から、毎日がお笑いである。
 そんなひとコマを書き残してみました。笑って、そしてほんのすこしぴよぴよとぽよぽよを
好きになってくれたらうれしいです。

その1 確かに似ている・・・

 ぴよぴよが2歳になったばかりのこと。
 彼女がはまったもの、それは「アンパンマン」。ご存じ正義の味方アンパンマンと悪者の
ばいきんまんが出てくるアニメである。アンパンマンのビデオをかけた瞬間テレビの前30
センチに貼りつき、出かければ町中のありとあらゆるところからアンパンマンを見つけだして
指さし、果ては寝言でまで「アンパンマン」という始末。
 ある晩、テレビを見ていたぴよぴよが急に画面を指さして「ばいきんまんー!」と言い出した。
時間はもう夜遅く、そんなときにアンパンマンが放映されているはずはない。

 不審に思ってテレビを見た私の目に飛び込んできたもの、それは「らららむじんくん」が
合コンの相談をしているところであった。

その2 はじめてのたんじょうび

 ぴよぴよが1歳の誕生日を迎えた日のこと。
 夫の実家で誕生日を祝うことになり、3人で車で実家に向かった。もう1年たったんだなぁ、
すくすく育ってくれて本当によかったと夫婦でしみじみと感慨にふけっていた。
 ちょうどラジオで「今日の歳時記」という番組が流れはじめた。何年前のその日にどんな
事件があり、その日誕生日の有名人は誰、といった番組だ。まさに誕生日に聞くには打って
つけ、思わずゾウさんになった耳に飛び込んできた一言は・・・

 「今日が誕生日の有名人は『ドラエモン』の妹、ドラミちゃんです」

 に、似てる。丸顔でぷっくぷくのぴよぴよとドラミちゃん・・・。

 以後、わが家で「ドラミちゃん」は禁句になった。

その3 K点超過!

 ぽよぽよは未熟児で生まれ、NICU(新生児集中治療室)で生後25日間を過ごした。
 一度は残念だがまず流産になるであろうと言われ、妊娠5ヶ月から長期入院の末やっと会えた
ぽよぽよは保育器の中でせつなくなるほど小さかった。

 生まれてすぐは点滴で栄養をとっていたのが、哺乳びんでミルクや母乳が飲めるようになり、 
やがておっぱいをじかに飲める日がやってくる。しかし未熟児は吸う力の弱い子が多く、20分
かけてやっと5CCとか10CCしか飲めない子もいる。授乳の前後に体重を量って、母乳を飲んだ
量を見るのだが、このはかりが結構いい加減で、乗せ方によって数グラムは誤差が出た。
飲む量が飲む量なのでこの誤差は重大だ。母乳が十分飲めなければ退院の許可は下りない。
ママたちはひそかになるだけ重く出る乗せ方を研究したりするのであった。

 ぽよぽよにもやっとおっぱいを飲める日がやってきた。ママの胸は喜びとたまった母乳で
はちきれそうだった。そのころ一回45CCずつミルクをもらっていたから、それだけ飲めるように
なれば退院だ。「15グラム、最初としては上出来だね」看護婦さんがにっこり笑った。
 その翌日。ぽよぽよは前日以上に上手に飲んだ、はずだった。しかし体重が増えていない。
最初の体重のメモを見直して気がついた。増えてないんじゃない、100の位が増えている・・・。
下二桁が同じなので気がつかなかったのである。

 「これだけ飲めれば、なんの心配もありません。今後は上のお子さんと同じように育ててあげて
ください」
 主治医のセンセイのとても心強い言葉に送られて、ぽよぽよはNICUを後にしたのであった。

その4 おねえちゃんの危険な愛情

 年子なんて上の子がかわいそう、というのは分かったよーな大嘘である。
 わが家にぽよぽよがやってきて、一番喜んだのは間違いなく1歳8ヶ月でお姉ちゃんになった
ぴよぴよだ。朝起きればほっぺスリスリとチューを欠かさず、妹が泣けばママを呼びに走り、
鼻そうじをいやがってぽよぽよが泣けばかわいい妹に何するだとママにパンチをお見舞いする。
ちょっぴり赤ちゃん返りして、一緒におっぱいにかぶりついたりもしたけれど、それでも彼女の
人生は妹ができてずっと色鮮やかなものになった。あんまりかわいがりすぎて、ちょっと目を
離したスキに自分の好物を離乳食も始まっていないぽよぽよに食べさせようとしたり、小さいとは
いえ自分の身長の半分を超えるぽよぽよを自力で抱っこしようとしたりするので、「お姉ちゃんの
愛情はなかなか危険だねぇ」と夫婦で笑っていた。
 かわいそうではないが、親の方にとっては年子はちょっぴりカコクかもしれない。深夜、
デュエットで泣きやまない赤子ふたりを両腕に抱え、寝かしつける夜もあった。合計15キロを
越す「あばれる米袋」とこれだけは公開できない産後ぶとりの体重が響き、腰を痛めた私に、
夫がマッサージをしてくれた。「き、きくうぅ〜っ」と叫ぶ私を、ぴよぴよが「たいたいー?」
(痛い痛い?)と心配げに見ている。「これはね、きもちいいんだよ」と教えたが、しばらくは
ママの上に座り込んで腰を押すパパの格好を不思議そうに眺めていた。

 ふと気づくとぴよぴよがいつのまにかベビーベッドによじ登り、あおむけに寝ているぽよぽよに
馬乗りになって、パパが腰を押しているのとそっくりなポーズで胸のところを押している!

 「ぴよぴよ、・・・それは、心臓マッサージだ」

 きもちいいことをしてやりたかったんだね、きっと。

 「お笑いぴよぽよ劇場」はまだ続きます!
 随時更新しますのでよろしくね(^^)



                         home